裁判の傍聴はハードルが高い? を確認してきた。【はじめての裁判傍聴】

先日、久々に傍聴に行ってきました。
地方裁判所高等裁判所の建物に入ったつもりが家庭裁判所簡易裁判所の建物に入っていたり、事件がタッチパネルで検索できるようになっていたり(ちょっと前まで冊子でした)で焦る焦る。そこで、自分のためにも記録に残すことにしました。
法廷で行われる裁判の手続は、原則誰でも見ること(傍聴)ができます。しかし、傍聴券がないと見れないの? 何か独特のルールがあるの? 等、初めての傍聴には不安がある方もいると思います。そこで今回は、私が何度か行ったことのある東京地方裁判所高等裁判所での流れを書いてみようと思います。もしかしたら違っているところがあるかもしれませんので、わからないことは職員の方に訊いてみてくださいね。


基本、傍聴するのに事前の申し込みは必要ありません。ただし、傍聴希望者が多い場合には傍聴券交付手続が行われる場合もありますので、人気の裁判を見たいときは事前の確認が必要です。なお、東京地裁と東京高裁は同じ建物内にありますが、家庭裁判所簡易裁判所は別建物(裏手)となります。家庭裁判所簡易裁判所で扱う非公開の事件(調停,審判等)は、傍聴することができませんのでご注意ください。

 

1 裁判所入口前
  主義主張を掲げた看板を持った人や、特定の裁判官の罷免を求める段ボールが貼りだされていることがあります。結構年季が入っているものも多いです。最初はびっくりするかもしれませんが、興味がなければスルーしましょう。

 

2 裁判所出入口
  ここで弁護士・裁判所関係者(検事・弁護士等)と一般人は左右別々の扉から入ることになります。一般人は手荷物検査をパスしなければ入館できず、弁護士等バッジのある人は手荷物検査がなくても入れるというだけです。手荷物検査は空港でよくあるアレと同じです。


3 本日の事件を確認
  出入口の正面には受付があり、そのすぐ左手にはタッチパネル(タブレット型)が4台×4台の計8台並んでいます。そこで当日の事件を確認することができます。見たい事件が決まったら「時間」と「○○号法廷」をメモをします。もし傍聴が初めてならば、「①地裁②刑事事件」をおすすめします。


 ① 高裁はすでに争いがない点については、審理をしないので初見では話がよくわからない場合があります。地裁であれば、事件の全体(あらまし)から説明してくれるので、話の筋がわかりやすいことが多いです。
 ② 民事は損害賠償請求や建物明渡請求などが多く、他人同士のゴタゴタを見ている感じがあります。

 

ちなみに検索画面には、「新規」「口頭弁論(本人)」「判決」等の進捗が出ています。「判決」は本当に判決文を読み上げるだけ(5分くらい)なので、それだけ聞いてもよくわからないと思います。「口頭弁論(本人)」は当事者が検事や弁護士とやり取りをするので、事件のあらましや至った経緯、心情を知ることができて面白いです。よくドラマでみるシーンですね。


4 法廷(部屋)までの道のり  
  開廷時間の10分前くらいに該当の法廷に行きます。1階の正面に大きなフロアガイドがありますのでそこで行きたい法廷(部屋)のある階を確認し、エレベーターへ。基本、710号法廷だったら7階というように、頭の数字が階数を表しています。該当階でエレベーターを降りると、正面にフロアマップがあるので現在地を確認し、法廷へ向かいます。法廷番号は天井からぶら下がっているので、ここから入ればいいのか~とすぐわかります。ガラスの扉を抜けて、目的の法廷の前にくると、「今日の案内」みたいなA4用紙が貼りだしてあるはずです。それで、目当ての裁判内容と合っているか確認します。

 

5 いざ法廷内へ
  必ず「傍聴人入口」と記載のある扉から中に入ります。扉の注意書きを読んで、いざ入廷です。ちなみに、のぞき窓がある法廷の場合、中をのぞいてから入ることをおすすめします。もう入って大丈夫? 多くて入れない? 等、中の様子を確認することができるからです。なお、小さい法廷にはないです。今は、時勢の影響で傍聴席が一つ飛ばしとなっているので、いっぱいで入れないということもあります。いっぱいならあきらめて別の法廷へ行きましょう。

◆前の裁判が続いていることも◆

予定の時間だからと入ってはみたものの、見ようと思っていた内容と違うぞ?ということがあります。実は裁判の開始時間はあらかじめ決まっているものですが、前の裁判が押してしまうことがあります。裁判官は一日にまとめて審理を行うことがあり、520号法廷は5件連続で○○裁判官が使っているみたいなこともしばしばです。あまり人気のない裁判は傍聴人が全くいないこともあります。傍聴席に数人いると安心していると、実はその人達は次の裁判の開始を待つ原告と被告で、傍聴人は自分一人だったということもありました。あれはこちらもちょっと気まずい……。
 

6 席を決める
  空いている席がほとんどなければ迷う必要がないのですが、結構ガラガラなときや、数人いる傍聴人の先頭で入廷してしまったときは困るものです。右端・左端の席は、事件の関係者や次の裁判を待っている関係者が座ることが多いので避けたいところです。「記者席」と書いてある席も避けます。そのため、私は真ん中の後ろあたりを狙います。

 

7 開廷
  「ご起立ください。」と言われたら、法廷にいる人はみんな起立します。傍聴人も全員起立し、一礼し、各自着席します。あとはゆっくり眺めるだけです。たまに話が間延びして眠くなることがありますが、当人にとっては一大事であることを鑑み、居眠りなどしないように気を付けます。

◆途中で外に出たくなったら◆

トイレに行きたい、次に見たい裁判がある等、途中で法廷を出たくなる場合があると思います。その際は、静かに荷物を持って出ていきます。裁判は録音していることがありますので、扉は音を立てないよう開け閉めします。

 

8 閉廷
  「閉廷します。」と言われたら、荷物をまとめてすみやかに法廷を出ます。そして、次の法廷へ。


きちんと数えたわけではないですが、事件数は午前に多い気がします。地下には売店や食堂がありますので、丸一日かけていろんな裁判を見て回る猛者もいるとか。あまり人気のない裁判だとアットホーム感?のようなゆったりした空気になることもありますので、いくつかの法廷をのぞいてみるのもいいかもしれません。ちなみに、風呂敷を持っている人は大抵検事です。1度行ってみれば勝手がわかりますので、次からはもっと楽しめると思います。
今回久々に傍聴に行ってきましたが、私は過去に法律の勉強しており、今の仕事にも関係する部分があるので、思いのほか楽しく感じられました。また、時間を見つけて行ってみようと思います。


≪参考≫ 見学・傍聴案内 傍聴の手引

www.courts.go.jp