私がBerryz工房じゃなくて℃-uteだった理由(ちょこっと機会損失のハナシ)
私がそもそもハロー!プロジェクトを知ったきっかけは、道重さゆみさんです。
私は家にテレビもなく、パソコンで自分の好きなものにしか触れていなかったため、流行りものなどには疎く、たまたまネットで見たバラエティでの彼女の面白さに腹を抱えて笑い、彼女自身に興味を持ち、動画を漁りました。
モーニング娘。の道重さんを好きになって、ファンクラブに入り、そもそも「ハロプロ」ってなんぞ?と、あれこれ調べるようになっていきました。
まず、ハロプロの中で一番に気になったグループはBerryz工房でした。
「個性がバラバラ」と言ってしまえば簡単ですが、
身長もバラバラ、人の話は聞かない、勝手にはっちゃけ、勝手に機嫌が悪くなる、まるで動物園のようなんです。
それは他のメディアで色物扱いされていたももち(嗣永桃子さん)が普通のしっかりした女の子に見えるくらいでした。
しかし、トークでのスムーズな起承転結や盛り上がるオチのつけ方、歌唱での迫力など、息を合わせた時の存在感とカリスマ性は他グループと比較しても圧倒的でした。
そのギャップに私はまんまと魅了されたのです。
私は一度好きになるとどっぷりハマるタイプなので、
毎日Berryz工房の動画を見、音楽やラジオを聴き、彼女たちの名前を必死に覚えました。
そんな折、ラジオ「BZS1422」において、よこはまコスモワールドで公開収録を開催するとの告知があったのです。
なんと私は、以前からその日に友人とそこへ遊びに行く約束をしていたのでした。
友人にそのことを言おうか迷ったのですが、結局私は何も告げずに会えるかもしれないという淡い期待を持って現地に向かいました。
ちなみに友人はこの時点で私がモーニング娘。にハマり始めたことは知っています。
ドキドキしながら現地に着くと、すでにテントが建てられていました。
私はすぐにそこが公開収録の会場だとわかりました。
《ついて早々》
友A「なんか人いっぱいいるね。今日なんかあるのかな?」
私「あー、本当だ。なんかあるんだろうね。(絶対公開収録!先輩オタさんがいっぱいいるし!)」
《いろいろ見て回りながら》
私「(あー、まだ収録予定時間まで二時間ある。ここで粘ろうって言うのもなぁ。今日はBちゃんの誕生日お祝いで来てるし。私のわがまま言えないなぁ。でも、ちょっとだけでもみたいなぁ。でも、言えないなぁ。)」そわそわ。
友C「せっかくだから乗り物に乗らない?」
私「(本当は、公開収録テントの前で待っていたい。一瞬でいいから見たいんや!)いいよ。」
そういうオタオタしい思いを抱えながら、私は水のジェットコースター「クリフ・ドロップ」に乗ったのです。
そして終着点につき、丸太のライドを降りようとしたその視線の先に!なんと!
夏焼雅ちゃんと徳永千奈美ちゃんが丸太に乗ろうとしているではありませんか!
今にも出発してしまいそうな雰囲気を察した私は唐突に走り出し、出口階段を駆け上がりました。
友A「え?どうしたどうした??」
友B「どこ行くの!?!?ちょっと待って!」
そんな声を振り切り、私は階段の踊り場部分につきました。
そこで、
「雅ちゃーん!」
大きな声を出して、手を振ったのです。
その時の夏焼さんの顔、今でも忘れられません。
へたくそですみません。
しかし、本当に「え…」という顔をしていました。
私は我に返り、凍り付きました。
そうこうしているうちに、友達が追いつきました。
私と丸太に乗っている彼女たちを交互に見ながら、
友A「どうしたの??」
私「……。(雅ちゃんからすごい冷たい視線で見られている私。丸太の後部座席にはスタッフらしき人がカメラを持っている。邪魔をしてしまったかもしれない。ヤバい。)」
その後、私と友ABCに見つめられながら丸太は出発しました。
友B「突然走り出したからびっくりしたんだけど」
私「ごめん。今、え…って顔してたよね。あー失礼なことしてしまった!(千奈美ちゃんもいたのに私は途中で固まってしまって雅ちゃんの名前しか呼んでいない。千奈美ちゃんに失礼すぎる。ヤバい。)」
うなだれる私に、
友C「てかファンなの??」
私「うん。最近好きが急上昇してた。雅ちゃんの顔凍ってたよね?あぁ失敗した…。」
友A「前に乗ってたの子?うん、まあ。でも、プライベートってわけじゃないんだから、そんなに落ち込まなくてもいいんじゃない?」
もちろん、100%私が悪いというのはわかっています。本当にお二人に失礼なことをしてしまいました。
ただ、名前と顔がようやく一致するようになって(まだ、あだ名まではわかっていない)、毎日のように動画を見て、コスモワールドに行く直前も見ていて、「楽しい人たちだな、見てると元気になるな」なんて思ってたとろで、突然会えてしまったもんだから、興奮が沸点に達してしまったのです。
友C「ごめん、何にへこんでるのかイマイチわからないんだけど。会えてよかったじゃん?ちなみに5万なくすのとどっちがショックなの?」
私「5万なくすほうがマシ…」
友C「あー、なんとなくわかった。」
(そのあと、へこみ続ける私を友人は優しく慰めてくれました。あのときはすみませんでした。)
私は結局、その翌週に予定していた初めてのハロー!プロジェクトコンサート(通称ハロコン)において、前から二番目の良席だったにも関わらずほとんど彼女たちの顔を見れずに終えました。
その後、私はなんとなくBerryz工房を避け、対のグループともいえる℃-uteをたまたま見るようになっていきました。
そして、次第に彼女たちの魅力を知り、どっぷり応援するようになっていったのです。もちろん℃-uteに魅力があったからこそ大好きになったのですが、私が℃-uteを知ったきっかけは、そんなしょうもない自身のへこみからだったのです。
ファンは自身の都合で勝手に好きになったり嫌いになったりします。
都合のいい話ですが、あのとき夏焼さんが笑顔を返してくれたり、手を振ってくれたりしたら、私はBerryz工房のファンになっていたと思います。
(何度も言いますが、悪いのは自分です。)
人って本当に単純なんですね。
良し悪し、正誤など、それだけでは判断できない恣意的な部分を持っています。
それと同じで、仕事にしてもチャンスがたまたま降ってくることがあります。
私はこれまで、多くの売り上げと利益を上げてきました。
その理由の一つは、たまたまをたくさん拾ってきたからだと考えています。
「他ではできないと言われていて困っている」「これ、あんまり利益ないかもしれないけど、やってもらうことはできますか?」
その一つ一つを精査し、できる限りの回答をするのです。
そうすることで、クライアントは大きい仕事も徐々に振ってくれるようになるのです。
「気持ちいい人と仕事したい」は理解できると思いますが、案外、「嫌な人と仕事したくない」は、かなりのチャンスであると気付くべきです。
ちなみに恋愛も似ています。
私のことを好きだったはずの○○君が一年後に△△ちゃんに告白していた、なんてことは普通にあります。あとになって「フらなきゃよかったー」と後悔したりして。
私たちは思いもかけないところで機会損失をしています。そして、いくら「たまたま」が降ってきたからといってそれをきちんと掴めなければ、また結局「機会損失」をすることになります。
たまたま次に見た℃-uteがダメだったら、私はまた別のところに行っていたでしょう。℃-uteに出会ってからとても楽しい時間を過ごせたので、今はファンになってよかったなぁと心から思っています。
これが私のBerryz工房じゃなくて℃-uteだった理由です。
■■あとがき■■
ちなみに私はBerryz工房のことを嫌いになったわけではありません。
いわゆる「在宅」として応援していました。
しかし、現場に会いに行くのはやはりためらわれ、行ったのは活動休止前ライブ一度きりでした。
結局、心のもやもやは最後までとれませんでした。お二人、あのときは本当にすみませんでした。